94人が本棚に入れています
本棚に追加
/120ページ
希乃愛が来てから1年が過ぎ、役所とも相談し認可の保育園へうつることになった。世帯主が父になってることもありスムーズに申請をすることが出来た。
私も就職を探して──、現在に至る。
……………………─────────
────────────
まだ全てを理解していない希乃愛は、姉をママと認識していないようだ。
でも、確実に距離を縮めていった。
仕事から帰ると一緒にお昼寝をしていたり、何して遊んだか聞かされたり、2人が話を交わしてる姿もよく見かけるようになった。
本当のママは姉で、姉が家に居るのだから当たり前のことだと頭では分かっている。
「お姉ちゃんさぁ……、働かないの?」
「しっ、今寝てるんだから」
私の部屋で希乃愛がすやすやと眠る。その横には姉が寄り添うように体を休めていた。
もう6時になるのに。何時間もお昼寝させると夜眠れなくなるんだけどな。
「希乃愛、保育園なんだよ?お姉ちゃんが働かないと更新できないって知ってるでしょ?」
「うーん、それなんだけど。幼稚園に転園しようかなって考えてて。その方がずっと一緒にいられるでしょう?」
「……え?」
「ほら、私。最低なことしたでしょ?希乃愛と向き合ってしっかり関係を作り直したいと思ってて」
きっと、父も母もそれが1番良いと思っているんだろう。
私は1年とちょっと希乃愛の世話しただけで。あの子にとってただの叔母の存在なのだから。
最初のコメントを投稿しよう!