Ⅳ 冬の色

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君の風邪は長引いたけれど、冬になる頃には治っていた。 冬の寒さに包まれた街を僕らは肩を寄せ合って歩いた。 君の家までは500メートルもないのに、僕らは30分もかけて、いろんな話をしながら、ゆっくり歩いたよね。君は僕に、 「ねぇ、もし私がいなくなったらどうする?」 なんて聞いたけれど、 僕は何も言わずに、ただ笑ってごまかした。 僕らはその時、あんなことになるなんて知る訳もなかったんだ。
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