Ⅱ 夏の音

2/3

7人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
僕らは夏の終わりに花火を見に行った。君は着慣れない浴衣を着て僕らは屋台を回ったんだ。 そこで君が見つけた小さなガラス細工のネックレスに君は 「きれい。」 と呟いた。それを聞いていた僕は君にばれないように、こっそりそのネックレスを買ってポケットにしまい込んだ。 花火が始まって、僕らは花火がよく見える丘に登った。近所の人しか知らないそこは、とても静かで、聞こえるのは花火の音と虫の声だけ。君はずっと僕の手を握りながら花火を見ていた。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加