Ⅲ 秋の風

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秋の風が吹き始めた頃、僕は風邪を引いた。君は心配して放課後にいつも会いに来てくれたよね。 「大丈夫?」 僕の事を心配してくれる君の声を聞けることが、どんな事よりも嬉しかった。君は僕が夏にあげたガラスのネックレスをしていた。僕はとても嬉しかった。 僕の風邪が治ると、今度は君が風邪になった。 僕は君が来てくれたように、放課後になると君に会いに行った。 「そんなに心配しないでも大丈夫よ」 心配そうな顔をしていた僕に君はこう言った。
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