クロノスの秘密

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夜が更け、ミライ・ラボを包む静寂が重く感じられた。月明かりだけが、テクノゲートの社員2名の緊張した姿を照らし出していた。彼らは、暗がりを利用して警備の目を逃れながら、クロノス・エッセンスの秘密を掴もうとしていた。しかし、その緊張感はやがて警察官の突然の声掛けによって、一気に高まる。 「こんな夜中に何をしているんですか?」警察官の質問は、冷静だが厳しさを含んでいた。社員たちは一瞬動揺を隠せずにいたが、すぐに落ち着きを取り戻し、「ちょっと迷っただけです」と弁解し、急ぎ足でその場を去った。 その一部始終を、ミライ・ラボの陰から目撃していた咲良と真壁は息をのんだ。「信じられない…本当に盗もうとしていたんだ」と咲良は小声でつぶやいた。真壁は深刻な表情でうなずき、「ユウトの警告は本当だった。クロノス・エッセンスを守るために、私たちができることをしよう」と決意を新たにした。 月光の下、二人は共に立ち、これからの困難に立ち向かう覚悟を固めた。「テクノゲートには負けられない。クロノス・エッセンスが盗まれることは、絶対に防がなければ」と咲良は力強く言った。真壁は咲良の決意を感じ取り、「一緒に守り抜こう。未来は私たちの手で守るんだ」と答えた。 この夜の出来事は、咲良と真壁にとって大きな転機となり、彼らはクロノス・エッセンスを巡る戦いにおいて、より一層の絆を深めていくのであった。
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