クロノスの秘密

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放課後、桜は再びミライ・ラボの門をくぐった。テクノゲートによるクロノス・エッセンス強奪未遂事件を真壁と共に目撃してから、彼女の心は新たな決意で固まっていた。ラボの扉を開けると、真壁が待っていた。 「桜、来てくれたな。昨日は一緒に大変な場面を見たね。」真壁の表情には安堵の笑みが浮かんでいた。 「はい、でも真壁さんがいれば、私たちにできないことはないと思います!」桜の声は明るく、目は冒険への期待で輝いていた。 二人は研究室に入り、ゆったりとしたソファに腰を下ろす。 「桜、クロノス・エッセンスの話をもう少し深くしようか。」真壁が優しく言葉をかけると、桜は熱心にうなずいた。 「クロノス・エッセンスは、時間を自由に操る可能性を秘めている。これが実用化されれば、時間旅行はもはや夢物語ではなくなる。」真壁の声には情熱がこもっていた。 「それはすごい!でも、テクノゲートはなぜそんなに…」 真壁は深く息を吸い、ゆっくりと語り始めた。「テクノゲートは、その力を狙っている。しかし、彼らの目的は科学の進歩や人類の福祉ではない。彼らは、クロノス・エッセンスを利用して、自らの欲望を満たそうとしているんだ。」 桜の表情が一瞬で曇った。「それは怖いですね…でも、真壁さん、ユウトさんも私たちの味方ですよね?」 「ああ、その通り。ユウトも我々と共に、クロノス・エッセンスを守り、正しい使い方を見つけ出そうとしている。彼の知識と技術があれば、私たちの研究はさらに進むはずだ。」 桜の目が再び輝きを取り戻す。「それなら、私も何かお手伝いできることがあればやります。真壁さん、ユウトさん、一緒に頑張りましょう!」 「ありがとう、桜。君のような若い力があれば、きっと未来はもっと明るくなる。さあ、私たちの研究で世界を変えてみせよう。」 桜は、真壁とユウトとの固い絆を感じながら、クロノス・エッセンスをめぐる冒険に新たな一歩を踏み出す準備ができていた。彼女たちの旅はまだ始まったばかりだが、その目的は明確であった。未来を守り、科学を人類のために正しく使うこと。これが、桜にとっての新たな挑戦の始まりだった。
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