第十一章 父子

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「あ~? まだすんのかよ、真純ィ」 「うん。もっとしたい」 「ちょっ、何やってんの?! 肇は僕の奥さんなんだけど!」 「うるさい。親父はおれの親父だ」 「普通親子でエッチはしないの! 肇からも言ってやってよ!」 「別に、真純がしたがってんだからいいだろ。妬いてんのか?」 「そりゃ妬くでしょうよ! 肇は僕だけのものなのに!」    肇は四つん這いになり、尻を突き出して真純を受け入れる。薫は、こういうことを真純の前でするのはやはり少し気が引けたが、このまま指を銜えて見ているわけにもいかず、スラックスのベルトを緩めた。零れ落ちた陰茎を前に、肇は淫蕩な笑みを浮かべる。   「は、3Pってか? 舐めてほしいのか」 「当たり前でしょ。真純ばっかりじゃなくて、僕も甘やかしてよ」 「ったく。でけぇガキが二人もいて困るぜ」    呆れたように言いながらも、赤く潤んだ舌が覗き、ちゅっと先端に口づけた。味わうように目を瞑り、ゆっくりと奥まで呑み込んでいく。   「ん、ん……♡」    肇は甘やかな声を漏らして薫のものをしゃぶる。薫が得意がって胸を張ると、真純は不服そうな顔をした。   「今親父を抱いてるのはおれなのに」 「残念でした~。肇は僕のおっきいおちんちんの方が好きだって」 「おれのも悪くないって言ってた」 「そんなのリップサービスだよ。そういう褒め言葉は真に受けちゃダ~メ」 「……っ」    真純はますます悔しそうに頬を膨らませた。昔は丸くふくふくとしていたほっぺたが、最近はだんだんと青年のものに近付いている。と思えば、真純は突然、肇の下腹部に手を回した。思わずといった様子で、肇は薫のものから口を離す。   「っ、おい、真純」 「親父も男なんだから、ここ感じるだろ」 「ぅ、んん……」    真純は腰を動かしながら、同時に肇の男の部分を刺激する。普段一人遊びをする時にしているのだろう、ひたすらに快楽を求めるだけの乱暴な手付きだ。肇は、声を聞かれたくないのか唇を噛みしめて、枕に顔を伏せた。それが薫にはおもしろくない。   「前弄るのはズルでしょ」 「こんなのにズルも何もないだろ。親父、今誰ので気持ちよくなってる?」 「っ……」    口を開くと上擦った声が漏れてしまうのだろう。肇は黙って首を振った。   「ざーんねん。気持ちよくないってさ」 「強がってるだけだ。ナカすごい締まるし……」    真純が言うと、肇はビクビクと背を仰け反らせた。真純にこんなことを言われるのは、肇にとって言葉責めと同等であるに違いない。そのことがますます薫を苛立たせる。薫が同じことをしても、肇はここまで恥じらってはくれない。   「肇のことなら、僕の方がよく知ってるんだからね」    薫は肇のスウェットを胸元までたくし上げ、露わになった胸を両手で揉んだ。体勢のせいか重力に引っ張られて、いつもよりふっくらとして柔らかく、薫の手を楽しませる。   「肇は男だけど、おっぱいも好きなんだよ」    何もせずとも健気に勃ち上がった乳首を指先でくりくりくすぐると、肇は枕に顔を伏せたままくぐもった声を漏らした。   「っ、ん……おい……」 「んふふ、な~に? 気持ちいくせに」 「くそ……っ、あとで覚えとけよ」    肇は恨めしげに薫を睨むが、薫はそんなことは意に介さず、ぷっくりと膨らんだ乳首を思いのままに弄んだ。いやらしく腰を突き出して身を捩る肇の姿は薫の目を愉しませたが、残念ながら、今日は薫だけの肇ではない。   「っ、ほんとだ……乳首弄られると、きゅんきゅんして……」    真純が感心したように呟くと、肇は額を枕に擦り付けて悶えた。肇のことを気持ちよくしてあげたいだけなのに、巡り巡って真純まで愉しませることになるなんて、全く薫の本意ではない。複数プレイもなかなか難しいものだ。   「ちょっと、そういう実況っぽいのやめてよ。肇が感じてるじゃん」 「だって本当にそうだし……ていうか、感じてるなら別にいいだろ」 「ダメ!」 「親父も気持ちいい方がいいだろ?」    真純の問いかけに、肇は腰を震わせることで応える。   「も~~、真純ばっかりズルい! 肇、僕のこともちゃんとかわいがってよ」    薫は無理やり肇の顔を上げさせて、その口に屹立をねじ込んだ。またもや潤んだ瞳で睨まれるが、肇はねじ込まれたものにねっとりと舌を這わして、喉の奥まで迎え入れてくれた。ぬるぬるの唾液が纏わり付いて、腰が抜けるほど気持ちいい。思わず腰を揺らすと、肇は苦しそうな呻き声を漏らした。   「やめろよ。親父に酷いことするな」 「君のお父さん、そんなに柔じゃないよ。肇はちょっと痛くされるくらいが好きなの」 「……うそだ。乱暴するな」 「ウソじゃないって。その証拠に、ナカ締まってるんじゃない?」    屹立で喉の奥を捏ねられた肇は、汗ばんだ躰を淫靡にくねらせる。真純は感じ入ったように溜め息を漏らした。   「ね、悦んでるでしょ」 「う、ん……すごい……」    やっぱり肇のことをよく分かっているのは自分の方だ、と薫が得意になったのも束の間、真純は肇を背後からぎゅっと抱きすくめて、カクカクと腰を振った。子犬が大型犬にしがみついて懸命に交尾しているような、少し微笑ましい光景だったけれど、薫に笑っていられる余裕はない。   「っん、ぁ、真純……っ」 「んっ……親父も一緒にイッてくれ……っ」 「っく、んン……だからって、んなにすんなよっ……」    育ち切った肇の中心を弄りながら、真純は夢中になって腰を振る。自身の快楽しか見えていない拙い動きだが、外からも中からも刺激されて、肇は敏感に快楽を拾い上げた。もはや薫に口淫を施す余裕もない。   「真純、ますみぃ……っも、出るから、はな、せっ」 「うん、んっ……おれも出る……っ!」    真純はぶるぶると腰を震わせた。同時に、肇の立派なものから白濁が飛び散る。真純がうまく手で受け止められず、シーツを汚した。   「はぁ……気持ちよかった……」 「は、ぅ……くそ……」    真純は吐息まじりにうっとりと呟き、肇は息を切らして悪態を吐く。二人は縺れ合いながらベッドに倒れ込んだ。
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