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「今も仕事中です」
「それなら、図書館が終わるとき迎えに行くよ」
「今日は予定があります」
「嘘だろ。いつも予定があるっていうじゃないか」
怖い。私の方へ一歩近づいた。
すると私の前に遮るように腕を出してくれた人がいた。
「柊さん。こんなところで彼女を待ち伏せして何しているんですか?」
弘樹先生だ。
「先生。関係ないのに入ってこないでください。僕は美鈴さんと話しているんです」
「内緒にしてもらっていましたが、お伝えしましょう。美鈴は僕と付き合っているんですよ。最近、そこの警備員が美鈴の帰り際に声をかけて困らせている人がいると聞いていたんでね、心配で見に来たんです。まさか、柊さんなんですか?今日だけじゃなくて他の日も待ち伏せしてましたか?」
びっくりした。な、何言ってんの、先生。驚いた顔をしたら、こちらをじっと見てうなずいた。
そうか、私を助けようとしてくれてる?とりあえず、話を合わせてみた方がいいのかな。
「……ちっ!待ち伏せじゃない。お誘いしてただけだ」
「柊さん。もうこういうことはやめて下さい。一度お付き合いをお断りしたはずです」
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