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「……先生、嘘だろ?美鈴さんと付き合ってるなんて。今まで見たことなかった」
「当たり前ですよ。隠れて付き合ってるんですから。誰にも話さないで下さいね。な、美鈴」
弘樹先生がこちらを見た。
「そ、そうです。誰にも言わないで下さい」
「……嘘だ。家の周りでも見たことない」
「それはどういう意味でしょう?美鈴の家の周りを見張ってた?」
「……くそっ」
そう言うと柊さんはきびすを返していなくなった。
弘樹先生を睨んで柊さんは帰っていった。
ため息をついて、先生にお礼を言った。
「弘樹先生、ありがとうございました。でもこんな嘘までついて、柊さんのせいで広まったら大変です」
「……別にいいよ。君を助けるためにここへ来たんだから」
助ける為って言った?
「え?先生、今日はこれでお帰りなんですか?」
「ああ、今日は日勤。君の話を親しい警備員に偶然聞いて、今日この時間に帰れるようにシフトを組んだんだ。よかったよ、少し遅れたが助けられて……相手が入院患者の保護者だと警備員も手を出しにくいからな」
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