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その話をしたら、弘樹先生はだんだん顔をしかめて、うなりだした。
「誰かに相談した?」
「……ま、まだ。あ、今先生に相談しました」
「馬鹿っ!」
大きな声で怒られて身をすくめた。
「危なすぎる。アパートへ帰るのはしばらくやめたほうがいい。柊さんのことはすでにあんな感じだとかなりまずい。彼はシングルファーザーだ。母親のいない隆君が君に懐いてしまって、君を隆君の母親にぴったりだと勘違いしているのもあるんだろう。何かあったら大変だ。柊さんは実家に両親がいるから結構自由に外出できるんだろう」
「……そうですね。私のやり方も悪かったんですかね」
「君は悪くない。勘違いする奴が悪いんだ。告白されて断ったんだろ?」
「はい」
「だとすると、立派なストーカーだ。ただ、警察は何かないと動かないから、このままだと本当に危ない」
「今日は図書館のほうは?」
「このまま車で戻って本を下ろしたら終わりです」
「アパートまではどうやって帰ってる?」
「駅まで歩いて電車で二駅。そこから十五分徒歩です」
「まじか。それは待ち伏せしやすいな」
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