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お互いで上司を説得、会議の場を作り、実現の運びとなった。子供達は大喜びだ。
「美鈴お姉さん。今日はこの本読んで」
「いいわよ」
「えー、僕はこっちがいい」
「私が先にお願いしたんだからだめ」
「ほらほら、喧嘩しないの。順番に読むから座って」
小児科病棟の休憩室。ここにはおもちゃや絵本、児童書などが置いてある。長期にわたる入院を支えていくため、入院中の子供だけではなく、入院中の子供の兄弟姉妹や家族がひと息入れる場所だ。
私は勤務先の図書館からケース三箱分の絵本や児童書を車に積んでここへ来ていた。
貸し出しのため二週間に一回、水曜日必ず来ることになっている。
子供達は症状の差はあるが、本を読みたがるし、親も付き添いのときに読み聞かせをしたりする。時間もあるから子供によってはすぐに読んでしまって、併設の本だけでは飽きてしまう。
また、人気の絵本は常に争いの元になり、数をそろえるにしても病院にも管理の問題もあってなかなか難しい。
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