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「……佳奈美の一方通行だということは最初からわかってはいたが、あの子はいずれ君が自分を好きになると思い込んで周りに吹聴している。君のお父さんからきた話だから周りから固められて君がうなずくかもしれないと実は少し期待していた」
「申し訳ございません。正式にお断りさせて下さい」
「……お相手を聞く権利ぐらいはもらえるんだろうね」
「はい」
「私の知っている人だったりするかね?」
「はい」
「……ふう。そうか。佳奈美が暴れないといいんだが。この病院関係者だということだな」
「病院関係者というか、病院に勤めている人ではありません」
「では誰だ?」
「読み聞かせに週一回小児科へ来ている図書館司書です。一度お会いになられているかと思いますが……」
院長は驚いたように目を見開いた。
「ああ、一度挨拶に館長と一緒に来たな。あまり印象深い感じの子ではなかったが……」
「そうですね。化粧などもあまりしていませんし、大人しい印象かもしれません。司書ですので……」
「そうか。それにしても急だな。彼女に告白したのか?」
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