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何故か動物図鑑を手にした弘樹先生が列の後ろに並んでいる。
見ていた絵美先生はプッと吹いて笑っている。子供達も笑い出したり、檜山先生をいけないんだーと指さして怒ってる。
「いい大人が『癒やしの美鈴さん』を取ったらだめでしょ。ごめんなさいね、美鈴さん」
子供達を笑わせるためにいろいろなことを小児科の先生はするのだ。これもそのため。そうじゃないと、おびえて治療を受けたがらない子が増える。
並んで借りた弘樹先生は背をかがめて頭を私に出した。
「え?先生、本気ですか?」
「あ、なに?人によってしたりしなかったりなんてするんだ?美鈴お姉さん意地悪だな」
「美鈴お姉さん、なでなでしてあげなよ」
「そうだよ、先生も並んでたし。動物の勉強するんだってさ」
みんなが言うので、恐る恐る弘樹先生の頭を撫でた。
何なのこれ?罰ゲーム?恥ずかしい。
立ち上がった先生の顔が見られないよ。
「わあ、弘樹先生嬉しそう」
「美鈴お姉さん真っ赤だよ。照れてる。ヒューヒュー」
小学校高学年の男の子がはやしたてる。
「静かにしましょうね」
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