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年配の看護婦さんが注意して静かになった。
「先生、何してるんですか?ミーティングの時間ですよ……」
「ああ、すまん、すぐ行く」
そう言うと手を上げていなくなった。
列の最後尾にいた男性が私に声をかけた。
「いつも隆に優しくしてくれてありがとうございます」
隆君のお父さん。和菓子職人だそうだが、シングルファーザーで隆君を育てている。ご実家が古い和菓子屋さんでご両親が離婚した隆君のお母さんの代わりに隆君をみてくれているらしい。だが、病気になってしまいここへもう一年以上入院している。
「いえ」
「隆はいつも美鈴さんのことをママみたいだって言うんですよ。記憶の中にある母親と似ているらしくて……」
「そうですか」
隆君が父親の側でそれを見ていて言った。
「ママも優しかったけど、美鈴お姉さんも優しいな……」
「そうだな、隆。お父さんも美鈴さんがお嫁さんだったらきっと仲良かったと思うよ」
私を見る眼が冗談に見えなくなってきていて、最近の悩みだ。
「美鈴お姉さんはみんなの癒やしの美鈴さんですから、隆君のおうちに取られるのはみんな反対ですよ」
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