満天に輝く星空を見上げながら

10/10
前へ
/10ページ
次へ
少し長く生きすぎた。 そろそろ清の元に逝く時が来たのかもしれない。 そう思いながらいつも空を見上げて あの日と同じ星空の下、想いを馳せてた。 ──みつ子、迎えに来たで。遅くなってごめんなぁ。泣かん言うてたのに泣いてたやろ? ──清、遅い。ちょっとだけ泣いた… ずっと待ってたんやで ──みつ子は泣き虫さんやな そう言った清は昔と変らない優しい微笑みを浮かべた。 ──迎えに来てくれてありがとう 清が私の手を取った瞬間、ふわっと体が軽くなり、意識が遠のいていった。 みつ子 次に産まれ変われたら平和な時代に生まれて 今度は二人で長生きして 満天に輝く星空を見上げながら 死ぬまで幸せに生きようなぁ。 約束やで⋯ おしまい
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加