満天に輝く星空を見上げながら

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私が見ていたのに気づいたのか、ゆっくりと私に視線を合わす。 「必ず帰ってくるから、泣かんと待っててや」 大きな手で私の頭を子どもをあやすように撫でた彼の瞳は悲しげに揺れて微笑んでいた。 ──行かんといて 思わず出そうになるその言葉をぐっと飲み込む。 それを口に出したら清を困らせるだけ…。 だから、せめてもの強がりで 「そんなんで、泣かんへよ」 清は少し驚いた顔をして 「みつ子は強いなぁ」と困ったように眉を下げて微笑んだ。
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