※佐川くんの本音

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※佐川くんの本音

この章は、佐川くん視点です 俺のタイプは、キレイ目なお姉さんだ。 バリキャリのOLみたいな。 それなのに…。 俺の好きな人は、かわいい。 自由で天真爛漫で天然だ。 彼女は誰にでも笑顔で、 誰にでも分け隔てなく接している。 今まで年上にかわいがられることはあっても、 同じ年くらいのいじられキャラとかかわることがなくて、 正直接し方がわからない。 だから、ほかの人たちと違って、 ついつい塩対応になってしまう。 ガラにもない『緊張』するなんて…。 大和くんみたいに、 もっと彼女に笑いかけたり、 自然に触れたりしたいのに。 うまくできない。 年上の女性と付き合ってるときも決して無理しているわけじゃない。 もともと、周りより大人っぽく見られる俺は、 年上の女性ともうまく付き合えてた。 でも、まいに会ってからは、 全部に余裕がない。 品物を渡す時にも、 手が触れ合わないように気を付ける。 とにかく、嫌われたくないし悟られたくない。 なのに…。 まいは、俺との距離もほかのやつらと同じだ。 人懐っこくて、警戒している様子もない。 こんな嫌な態度の俺にも、だ。 だからきっと、勘違いするやつはいっぱいいるだろう。 俺だって、。 もしかしてって思ってしまう。 この思いを、どう伝えたらいいんだろう。 他の男と話してるだけでも嫉妬でくるいそうなのに。 こんな気持ち知られたら…。 こんな嫉妬深い男だって知られたら、 絶対引かれるだろ。 「佐川くん」 今日も会えた。 その声で呼ぶなよ。 その笑顔向けんなよ。 ごめん全部ウソ。 その声もその笑顔も。 全部全部俺だけのものだったらいいのにって、 思っています…。 ヘタレな俺は今日も塩対応で武装する。
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