佐川くんの告白

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「あのさ、もしよかったら、俺と付き合わない?」 この一言で私の心の中はお祭り状態! でも、しっかり平静を装って、 「つ、付き合いたいです」 と言った。 「ぷ…にやけてんじゃん」 「え?!」 言われて恥ずかしくなってほほに手を当てる。 「ま、人のこと言えないんだけど」 佐川くんはそう言ってそっぽを向いた。 あ、ちょっと赤くなってる。 その横顔に私はうれしくなってまた笑ってしまった。 佐川くんside 告白した。 してしまった。 俺って一度崩壊しかけると、 止めらんないタイプなんだな。 多分まいちゃんのとこの店長は、 俺の気持ちを知ってて、 コーヒーチケットを譲ってくれたんだろうな。 だって、帰り際にサムズアップサインしてたもん。 二人きりで出かけたことで、 抑えがきかなくな茶ったんだろうな。 むちゃくちゃまいちゃんのこと気になり始めて、 もう抑えらんなかったし。 そこに加えて大和くんの行動が俺に拍車をかけた。 勢いで、手をつないで、磯のまま告白しちゃった。 『答えなんていらない』とか言ってたくせに、かっこ悪。 でもまいちゃんのあの顔見たら、 告白してよかったって思えた。 あぁでも、今まで塩対応してたし、 これからどう接したらいいんだろう? とりあえずLINE交換したけど、 おくってもいいのか? 迷っていたらまいちゃんからLINE来た。 ピロン 『今日はありがとうございました 彼女になれてうれしいです』 その文章にはまいちゃんによく似た猫のスタンプがくっついていた。 やべぇ。 そこからあふれる彼女感に、自然とにやけてしまう。 『俺も ありがとう』 短い文章の中に納まりきれないほどの気持ちを込めた。
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