佐川くん

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佐川くん

「おはようございます」 「はいおはよう」 私はまい。 女子大生。 今日も元気にバイト中。 デパ地下のお惣菜やさんで働いている。 大抵は支店長と社員さん、それにバイトやパートさんの少人数で回している。 「まいちゃん包装紙足りなそうだから、発注しといて」 「了解です」 包装紙はお店のとデパートの2種類ある。 今無いのは…。 あっデパートのだ! 私はちょっとうれしくなる。 今日は水曜日。 デパート内の包装紙はサービス課が持ってきてくれる。 そして水曜日には、バイトの佐川くんが来てくれるはず。 私は密かに佐川くんに憧れている。 なぜなら私のタイプど真ん中だからだ。 サービス課なのに、無愛想。 (お客様には満面のスマイル、らしい) だけど、すごく気になる存在だ。 「あら?今日はご機嫌ね」 社員の中川さんに冷やかされる。 「あぁそうか今日は水曜日だもんね」 ほんとにわざとらしんだから。 そう思いながらも発注をかけてから、ソワソワしてしまう。
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