別の感情が生まれた

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別の感情が生まれた

 また1週間の今日が訪れて、私は朝から楽しみで小鳥がさえずる歌を口ずさんでいる。  今日もとても晴れた日で、以前より風も暖かく、人間にも丁度良さそうな季節の訪れだ。  先週よりも、私は変身に磨きをかけている。人間の女性を真似て、髪に花を摘んで装飾にしたり、服装も白いふわふわでレースのついたワンピースだ。  もちろん、ヒスイからもらった首飾りもしている。  それなのに、いつも訪れる時間になっても、町の方角から走ってくる、彼の姿はない。  人の形を模した姿なら、町に行くことは可能。なんせ、町からそんなに離れていない、この森で会っているのだから。  なにかあったのかもしれない。ヒスイと会うようになってから、もう2ヶ月以上経っている。  彼は、1度も約束を破ったことはない。  だけど、夕方を過ぎてもヒスイはこなかった。  私も……町に行かずに時間が過ぎていく。  この感情は、なんだろうかと考えた。水に映る私の表情は、相変わらず無表情で、分からない。  ただ、ヒスイが約束を破ったことで、生まれた感情だということは分かった。  いつも側に寄ってくる動物たちが、なぜか木の陰から私を見つめている。
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