~愛の祭典~

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「それは、丁度良かったよ。この祭りは、100年に一度開かれているんだ。僕も今、生まれて来たから参加できているからね。さっきの様子から、ここに来てそんな経っていないのなら、良ければだけど……案内しようか?」  この青年は、先ほどといい、初めて会うはずの私を誘う。  これは、優しさ……というものだろうか。私が、お金のない男だということを知られている。  実は、この町も長い歴史があった。なんせ、1000年以上前からこの町はある。規模はだいぶ小さく、人間も数えられるほどだった。  今では、活気だっている。  だけど、昔から変わらないことがあった。  この町に住む人間は、みな優しい。  その感情が分からなかった私に、優しさという感情だと教えてくれた。  そして、精霊の私にも分かることがある。  それは、悪の感情だ。  前に騙されかけたことで、身につけたスキル。  私は、寿命という概念がない存在だから、時間はたくさんあった。  そして、この青年にそれは一切感じない。
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