~愛の祭典~

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 1つ分かることは、ヒスイがとても楽しそうだということ。  テントは、ウサギが入れるくらいに開かれていた。  ヒスイが一声かけて2人で中に入ると、先ほどのテントと比べたら明らかに狭いと分かる。  妖精の家といっても怒られないと思う。 「ようこそ……おや? 1人は町の人間ではないね。寧ろ……いや、野暮なことはやめようか。私は、旅の占い師。男2人で訪ねるなんて、仲が良いじゃないか。それで、なにを占ってほしいんだい?」  占い師は、女の人間だった。  いや、人間ではない。1000年以上生きてきた、精霊の私だけど。  ――初めて同族にあった。  それも、明らかに私よりも人間のことを知り、感情豊かで、話し方が上手い。つまり……この精霊の方が、生まれが早いということ。占いが当たると評判な理由が判明した。 「流石、当たると評判の占い師だ。彼は、ここの人間じゃないよ。それと、僕たちは偶然出会ってね……意気投合して、ここにきたんだ」 「へぇ……それは、良い。祭りは、出逢いの場だ。かく言う私も、旅をしている理由は、出逢いさ。君たちにも出逢えたしね? それじゃあ、君たちの運勢を占うとしよう」
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