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だけど、ヒスイがこなかったことで、起きた私の変化は、湧き上がる感情。
「……ヒスイが、こなかったから、とても、楽しくなかった……」
ヒスイは、目を丸くしていた。私は、また知らずに変なことを口にしていたのかもしれない。
人間では、考えられないことを言っていたら、怪しまれる。
まだ人間を7割しか知らない私は、訂正するためにない頭を絞った。
だけど、その前に笑う心地の良い声が耳に聞こえてくる。
「ごめん……君が、マリンが……とても、可愛らしく思えてしまったから」
可愛いという言葉は知っていた。キレイよりも、色々なものに当てはまる万能な言葉である。
だけど、『楽しくなかった』という言葉で、『可愛い』は精霊の私には理解できなかった。
「え……どこが、可愛いのか教えて」
「えっ……それは、とても恥ずかしいのだけど……君は、本当に不思議な人だな。純粋な子供のような感情で、とてもキレイだから……その違いが、愛らしくて。あ! 怒っているのに、こんなことを言ってすまない」
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