~愛の祭典~

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 買ってもらった空色の宝石に視線を落としてから、身に着けるものだと知った。そういえば、この青年も……。私に身に着けてほしいと、買ってくれたんだ。  町は相変わらず、世話しなく動いている中、私は青年に宝石の首飾りを渡す。青年は無言で手渡す私に、少し驚いている様子だったけど、直ぐに笑って受け取った。 「それじゃあ、つけてあげるから、後ろを向いてくれるかな?」 「なぜ、後ろを向く必要があるんだ」 「え……それは、うーん……つけにくいのもあるけど、君が先ほど怪しんだように、男同士で向き合って首飾りをつける行為は、注目を引くかもしれないよ?」  人間の感情がまだ分からない私は、その意味が分からず首をかしげる。  だけれど、口説く行為は基本、子孫を残す男女間だと知っている、賢い私だ。  今からしようとしていることも、それに近いのだと理解して、後ろを向く。  青年は、ものの数秒で首飾りをつけてくれた。  その際。触れた指先が冷たくて印象的だった。
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