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調査報告の時間
「ヴェットーリ司教という名前には聞き覚えはありませんが……なぜ司教が我が公爵家の領地に…………」
「…………………………」
殿下は押し黙ってしまった。それほどにまずい話が出たのかしら……ますます聞くのが怖くなる。
「オリビアは司祭が勝手に税の徴収をしている話は知っているよね?」
「はい……ここに来た時に市場に出て、領民と少し話をしました。パン屋の女性でしたが、教会が税を徴収していて年々重くなっていると。しかしお父様が教会への支援金を増やしたので領民は教会に税を納めなくていいとしたはずなのです。もちろん帳簿には毎年同じ額が教会には支払われていました。足りないわけはなくて……そのような事を領主に何の話もなく進めているというのはどういう事か、教会に行って司祭に聞こうかと思いましたが、まだ私の姿を見せない方が教会を泳がせる意味でもいいのではと思い、そのままに……」
「……うん、その方がいいだろうな。オリビアが領地に来ている事は知っているようだ。しかし姿は見られていないから、動きやすい。すぐにそこまで判断出来るとは、素晴らしいな」
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