調査報告の時間

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 殿下はそう言って微笑みながら私の頭をよしよししてくる…………中身はそんな年じゃないんですが……  「司祭と司教はその話もしていた。そしていつかは分からないが、ここの教会はその司教が務める事になるという話も出て来た」  「……え………………司教が?そんな話が本当に進んでいるのですか?お父様はその事を知って……」  何かがおかしい。お父様は領地に行くと言った時にそんな話は全くしていなかったわ。ここに来てどんどん事態が動いているのにお父様が動く気配がないなんて……何か動けない理由があるのかしら…………  「恐らく公爵にはその話は来ていないだろうな。もし公爵に話が来ていたら、まず許可は出さないだろうし、何らかの動きがあるはずだ」  「ではこの話も教会が勝手に進めているのですか?!そんな事がまかり通るなんて…………」  どうしてここまで強気に出られるのだろう。もしこんな事が明るみになれば公爵家を敵に回すという事になる。それでも何とかなるというくらいの後ろ盾があるという事?
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