調査報告の時間

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 「司教という立場には司祭以上に権力が与えられている。今まで司祭だったから公にせず、こちらに分からないように税の徴収をしていたのだろうが、司教が来れば大々的に徴収し始めるだろう。公爵はそれを許さないだろうが……」  「もしお父様に王都を離れられない理由があって…………いざこざを収める為に領地に下がらなければならない事態になると、王都の方の派閥の力関係が崩れてしまう恐れが…………まさかそこが狙い?」  お父様は陛下の腹心だし、最大の王族派の人間が王都から領地に下がったとなれば、貴族派が勢いを増していってしまう。  そっか、ただの恋愛小説かと思って読んでいたけど、その裏ではこうした権力争いが起きていたのね…………私腹を肥やす貴族派が力を増していけば貧富の差は今以上に開き、民は飢え、国力が下がっていく。内側から弱ってしまった国は、他国に侵略されやすい国になってしまうわ。  「…………そこを狙われている感じもするな。力関係が崩れると、政治の腐敗を招く。今は微妙な力関係で国が保たれているんだ。その為に私と君の……結婚…………はとても大事な意味を持つのだが……」  
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