夜のブランコ

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家に帰りながら考える。 栄田さんにはわからないを連発していたが、実は俺は見える人なのだ。 だがそんなこと言うと、それこそ何を言われるかわからないので、人に言うことはほぼないのだが。 だから最初から分かっていた。 玄関のドアが開いた時からそこにいた。 栄田さんに寄り添うように。 白くてむこうが透けて見える幼女が。 栄田さんが家を出ると幼女がついてきて、公園に着くとブランコの上で暴れまわった。 生きている子供では到底無理な動きで。 そして飽きると栄田さんのところに戻って来た。 そして栄田さんと一緒に家に入った。 つまりあの幼女は公園にいるのではなく、栄田さんにとりついているのだ。        終
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