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ライブ
ーーーーギュィィィィンーーーー
ギターソロからのスタート。この曲は、。
「熱烈バースト!!」
一曲目からド派手な曲である。観客もわっと一斉に立ち上がる。
「風を抱くようにーー」
歓声の中arcが歌い始める。
ベースボイスが響き渡る。音質もまたクリアだ。マイクは何を使っているのだろう。
ーーーードッドンドッドッーーーー
ドラムとベースが絡まり合っている。かなり仕上げて来ている。
「ピィーッ!!」
ーーーーそうして一曲目は終了した。
「今日は来てくれてありがとう!!さぁじゃんじゃん歌うよ!」
ーーーー
ーーーー
「今日はありがとう!!今度7月にツアーをやるので、また来てね!!」
ライブは2時間続き、閉められた。
「盛り上がったねー!ライブ行こっかなー!」
「ねー!行こ行こ!」
ショッピングモールでのライブでここまで盛り上げるとは、arcは相当なアーティスト力を持っている。
「最高だったわねー、月夜」
「最高だったね!またライブ来ないかな??」
今朝から少女の姿になっているのを忘れてしまうほど、迫力のあるライブだった。
まだ行っていないアーティストのライブへもぜひ行きたいところである 。
「さ、帰ろっか。あっ、その前に買い物していかないと」
「お、お姉ちゃん。と、トイレ、」
「あら。今度は1人で行けるかな??」
「い、行けるもん!!」
「そう。じゃあ先買い物してるわね」
ーーーー
ハァー、。
やはり落ち着かない。全く、何なんだあの薬は、。
そんなことを考えながら、スーパーに向かっていると、会場の近くでなにやら見覚えのある女を見かけた。
「あ、昨日ぶつかった、」
まさか、昨日の今日で会えるとは、。やはり何か音楽界と関係があるのか??
…聞くしかない。この謎の薬の件について、。
一体この薬は何なのか。そして、元の姿に戻る方法を聞き出さなくては。
俺は、恐る恐る、その女の元へ近寄る。
「あ、あの、」
その女は俺を不思議そうに見たが、数秒して目を見開いたかと思えば、俺の手を素早く掴み、誰もいない非常階段の方へと引っ張られた。
「は?え?ちょ、ま、!」
ーーーー
「ちょっ、何ですか、?って話しかけたの俺だけど」
「君、だね、?薬を飲んだのは」
その女はまるで俺を探していたかのように聞いて来た。
「え、あぁはい。その件で聞きたくて、」
「あまり大きな声で話さないで。奴らに聞かれる」
「奴ら??」
女は壁に背中を合わせながら右手で口元に数字の1を作る。
この女が昨日ぶつかった相手だったことは分かったが、まるで雰囲気が違う。
「あなたには、1から話さなくちゃね」
といって、その女は話し始めた。
ーーーー
「まず、自己紹介が先ね。私は三宮与里、宜しく」
「あ、えっと、音野月夜です」
「じゃあ、昨日から整理する。昨日、私とあなたはぶつかって、転んだ。その時に荷物が入れ替わってしまったのね」
「、はい」
「で、あなたはその薬箱に入った薬を飲んでしまった、そうだね??」
「、はい」
「ちなみに、薬は3つ入っていたはずだと思うんだけど、どれを飲んだ??」
「えと、真ん中の一粒だけ飲みました」
「そう。もう一つ聞く。その姿になったのはいつ??」
「今朝です」
「そう」
三宮は、少し黙っていたが、また話し始めた。
「この薬は、とある組織が秘密裏に作ってる薬だ」
「組織の薬!?」
「えぇ。だから、私はその薬を回収しに来たの」
「なるほど、」
やはり、謎の組織が関係していたか。しかし、なぜ女体化薬を作っているのか。
「その薬が一体どんなものなのか、一体何の目的で作られているのかはわからない。ただ、女体化薬以外のものも作られているっていうのはだけは確かなの」
「他にも薬を??」
「えぇ、だからそこも含めて調査をしている」
女はポケットからメモ用紙とペントを取り出す。
「私の連絡先だ。例の薬だけど、すぐに回収させてもらいたい。明日のこの時間は空いているか??」
「空いてます」
「分かった、ありがとう。都合が合わなければ、改めて連絡してくれ」
そう言って1枚のメモを渡された。
「あ、あの」
「じゃあ、私はこの後も用がある。また会おう青年、いや、少女よ。くれぐれも、この件は他言無用で頼む」
ーーーー
「遅かったねー。何してたのよ」
「トイレ迷っちゃってー」
「全く」
持って来たエコバッグに野菜を詰め込んでいく。
「明日は、予定空いてるわよね?」
「うん空いてる」
「じゃあ、決まりね!コーディネート!」
「やっぱり行くの?」
「当たり前でしょ!さ、帰るわよ」
そう言って光希とショッピングモールを後にした。
入り口にあるテレビでは、特集が流れていた。
moon 活動中止
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