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お昼はすぎていたが、近くの定食屋でしっかりご飯を食べたのを見て、「もう、大丈夫ですね? 」と秋穂に言われる。
「はい。マンションに戻ってみんなに謝ります」
「ホテルの荷物を取りに行ってマンションに行きましょうか」
その言葉通り、荷物をとって来てからマンションまで送ってくれる。
「寄っていきませんか?」
「……栗花落がいいと言えば」と入口を秋穂が見るので視線を向けると、春と栗花落が走って出てくる。
「姫!心配したじゃないですか!」
「どこに居たんだこのお転婆!」
「秋穂……説明してくれますよね?」
部屋に荷物を置いてリビングに行くと、何故か秋穂が葉子さんと話しており、春が座れとポンポンとソファを叩くので大人しく座る。
「そうだ。これ……お金なんだけど」
「姫が持っていていいですよ。これからも入り用なこともあるでしょうし。ただ!家でに使うのは禁止です!」
「ごめんなさい。あと、森さんのことも怒らないで……ください」
「怒りませんよ。これ、返しておきますからつけてください。それにしても見つけたホテルにはいないし、かなり探したんですよ?途中で秋穂の術と気づいた時に諦めましたけど」
「諦めた?」
「秋穂はクモの巣を張るように迷路みたいに仕掛けるんだ。普通中心に向かって進めるんだが、今回は中心から離れてくように……チッ」
「上手くなったでしょう?それに。姫愛さん、窓際に」
窓際に立ってみんなに影を見せると角が見えないことに気づいてもらえる。
「……今回は色々ありましたし、角を隠す修行をしていたと思うことにします」
「で?学校はどうするんだ?」
「行くことにした!」
「はぁぁぁ?お前はバカなのか?」
「いいの。もし、誰かが生徒に何かしたのなら、辞めるわけに行かないと思うし。生徒の中に変なことした人いるかもしれないし。春さん守ってくれるんでしょ?それに、後二年だから私頑張る」
「それでも、次の登校ではまだ何があるか分かりません」
「栗花落さん、守ってくれるんじゃ……私、実家に帰った方が……」
「守ります!守りますから帰らないでください!」
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