65人が本棚に入れています
本棚に追加
/182ページ
「栗花落、うちの子って婚約者じゃなかったんですか?姫愛さん、この家からうちに引っ越します?」
「どうしよっかな……」
「姫愛、悩まなくていいからここにいろ!栗花落は父親その2とでも思え!」
「待ってください。人の年齢ではまだ22になる前です」
「そういう問題なの?」とお箸を置くとオロオロし始める二人。
「つ、つくね。そろそろよろしいのではないかと。魚も追加しますね」と葉子さんもフォローできない雰囲気になったが、「はい、そこまでです。春は魚も食べる!栗花落はもう少しお肉を。体は人なのですから健康には気をつけてくださいよ?」と一番父親らしいのは秋穂。
父親らしいというか、食の面では母親っぽいのだが。
「小姑かお前は。で?どこに行ってたんだ?」
「えっとね、滝」
「滝だけですか?」
「そう。後は、食事の前にきれいな服着させてもらってお化粧してくれる人が来たり」
「ほぉー?」
そう言いつつも今いちばん怖いのは多分葉子。
ちゃんと食べないと怒ってしまうのでみんな食事の手は休めない。
「栗花落も春も。姫愛さんは女の子なんですから、もっと可愛くしてあげないと。それと、滝なんですが……」
声が聞こえたのに秋穂には聞こえなかったことなどを話すと、今度はみんな真剣な顔に。
普通に食べている身としてはちょっとみんなの表情か忙しい!
最初のコメントを投稿しよう!