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第十二章 マイホーム
「莉奈、家が欲しいんだ」
「家?」
「うん。マンションじゃなくて一戸建て」
「うん」
「僕ね、ずっとアパートとかマンションとかそういうところに住んでたから、庭のある一戸建てに住みたいとずっと思ってたんだ」
「うん」
「屋根の色は何色がいい?」
「屋根?」
「うん。莉奈は何色が好き?」
「緑」
「じゃあ緑にしよう」
「壁は何色?」
「クリーム色」
「じゃあクリーム色に」
「カーテンはピンクがいいなあ」
「ピンクかあ」
「嫌なら潤也さんが好きな色でいいよ」
「じゃあピンクで」
「いいの?」
「うん、いいさ。君の好きな色だから」
「それとね、ポストはアメリカの家にあるような形のがいいの」
「OK、それでポストの色は?」
「黄色」
「黄色?」
「うん。だってフランスのポストは黄色でしょ?」
「形はアメリカで、色はフランスか」
「だめ?」
「全然」
「ありがとう」
「庭にはそうだな、きれいな緑の芝生を植えたいね」
「ええ」
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