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海兵隊と恭輔の間に入って青いジムニーが停まる。
「やぁやぁ、恭輔くんデヴィットくんお久ぁ♪」
「…………」
「つれないなぁ」
「立て込んでまして」
助手席から幸徳井朋嗣が降りて挨拶してくる。
「九嶋ちゃん、そのまま上行って〝彼〟回収してきて」
「私物なんだがなジムニーは」
「大丈夫、大破しても補填するから~」
ジムニーはテナガの頭部に向かって走っていく。海兵隊が威嚇射撃をしようと銃口を向けると幸徳井朋嗣は懐から白い紙の束をとりだし扇状に広げ神咒を唱えた。
「天地の真清水の産靈に化生座せる瀬織津媛大神の幸魂感け通わせ守り給えお幸え給え」
紙の束を空中に放り投げる。呪符の1枚1枚が生き物のように舞い海兵隊にまとわりつき自我を奪う。
「以前はそんなに凄くなかったはず……」
「いまは瀬織津媛様に庇護されておるからね、眷属になると力も増すよん」
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