大神郷地震

21/23
前へ
/36ページ
次へ
 海兵隊(マリーン)と恭輔の間に入って青いジムニーが停まる。 「やぁやぁ、恭輔くんデヴィットくんお久ぁ♪」 「…………」 「つれないなぁ」 「立て込んでまして」  助手席から幸徳井朋嗣(かでいともつぐ)が降りて挨拶してくる。 「九嶋ちゃん、そのまま上行って〝彼〟回収してきて」 「私物なんだがなジムニーは」 「大丈夫、大破しても補填するから~」  ジムニーはテナガの頭部に向かって走っていく。海兵隊(マリーン)が威嚇射撃をしようと銃口を向けると幸徳井朋嗣は(ふところ)から白い紙の束をとりだし扇状に広げ神咒を唱えた。 「天地(あめつち)真清水(まさやけるみず)産靈(むすび)化生座(なりま)せる瀬織津媛大神の幸魂(さきみたま)(かま)(かよ)わせ守り(たま)えお(さきわ)え給え」  紙の束を空中に放り投げる。呪符の1枚1枚が生き物のように舞い海兵隊(マリーン)にまとわりつき自我を奪う。 「以前はそんなに凄くなかったはず……」 「いまは瀬織津媛様に庇護されておるからね、眷属になると力も増すよん」
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加