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あわてて元来た斜面を這うように駆ける。
「ひぃぃー、ばっ化け物!」
クスクス、クスクス、クスクス……
背後から甲高い音が近づいてくる。化け物の鳴き声だ。目の前にジムニーの青いボディが迫り行き止まりになった。腰が抜けたようにへたりこむ。
クスクス、クスクス、クスクス……
朱色に染まった化け物の触腕が伸びてくる。
「あぁー!?」
触腕が信吾の首筋に触れようとしたその時、漆黒の塊が視界をふさいだ。
「えっ?」
漆黒の塊は複数あり化け物を切り裂き信吾を護るように囲む。そのまま被うように信吾を取り込むと形状を変化させてく。身の丈10メートル弱の漆黒の甲冑、黒光りする騎士のような姿になった。
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