7人が本棚に入れています
本棚に追加
◈
上空から無数の気配が地表へ降りてくる。大きさは軽自動車から2トントラックくらいであろうか? 恭輔は感覚をさらに研ぎ澄ます。
「視えない気配の数が37……デカい気配が3、こいつは雲の高さに滞空している」
「視えない化け物?」
「生物系だねぇ、僕の結界では防げないなぁ」
自衛隊と海兵隊の士官がつり目で寄ってくる。
「彼らに何をした?」
「大人しくしてもらっただけだよ~ん」
「ふざけているのかね!」
「恭輔くん、はやく布都御魂様喚んで」
ため息をつく恭輔。
「便利屋ではないですよ、劔炁招來」
印を組むと右側に剣印で五芒星を刻む。空間が赫く輝き、恭輔が手を差し入れると右手に赤鞘の古太刀が顕れた。
「話はあとです。僕の背後に皆さん集まってください。ばらつかず密集して」
ハンビーとメガクルーザーの間に学生達が集合する。
「幸徳井さん、海兵隊員もです」
「はいはーい」
幸徳井朋嗣が手をふると海兵隊員たちがふらふらと周りに立ち外に向けて銃をかまえる。
「炎炁招來!」
左手を天にかざすと蒼い輝きが瞬き指輪が左手の人差し指に顕れ、ついで恭輔の全身が蒼い炎に包まれる。
「彼もか!?」
佐渡教授が思わず叫ぶ。教授の前には蒼い炎をまとった人狼がいた。
最初のコメントを投稿しよう!