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「ヒト・フト・ミ・ヨ・イツ・ムヨ・ナナ・ヤ・ココノ・タリ・フルベユラユラトフルベ…………神火清明、神水清明、祓え給え、清め給え………………神風清明」
恭輔は古太刀を抜くと剣印を組んだ左手を刀身に添え神咒を唱える。切っ先を天に向け円を描いて空間を斬る。2台の軍用車を中心にして周囲八百メートルの空間が現世から隔絶された。
「ほうほう、これが幽世送り」
幸徳井朋嗣が顎に手をあて観察する。
「なにが起きているのかね?」
「たぶん枷門氏の結界と似たものでありませんか?」
佐渡教授とデヴィットが考察をはじめる。
「枷門さんの結界はプラズマの物理結界、円から出るな言われてないかなぁ? 恭輔くんのは空間遮断の次元結界、凄いよこれ! 」
幸徳井朋嗣の解説が始まる。
「さぁ、どんどん見せてくれ。なんなら火乃迦具鎚神も喚んでくれても……」
白銀の人狼が振り返る。
「いやです」
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