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筑波にある筑穂松代大学人文学類先史文明考古学部研究室佐渡ゼミに、準教授・講師及びゼミ所属学生が集められていた。
「あぁ、全員は無理だったか……今日集まってもらったのはほかでもない。つい先日飛騨地域で起きた地震で見つかった古代遺跡について話がある」
ざわつく一同。
「静かに! 我が佐渡ゼミは文部科学省の意向もあり現地に調査に入ることになった。ついては講義や諸々のことを考慮して発掘に携わってくれる人を募集したいと思う。日程、条件など掲示板に貼りだすので、よく確認し応募してもらいたい。研究室の予算以外にゼミに出資してくれるスポンサーもあるので身ひとつでも大丈夫だ。バイト代もスポンサーが払ってくれる。単位も保証しよう、よろしく頼む。以上!」
学生たちがざわざわと意見をかわしながら講堂から退出していく。
「あぁ……水方くん水方くん? 君は問答無用で発掘隊に参加だよ、いいね?」
「えっ?」
佐渡教授がむんずと一人の学生の両肩をわしづかみにし逃がすものかと笑った。
「君、飛騨出身だものな。いろいろ頼む」
学生、水方信吾はこうして佐渡教授につかまり里帰りすることになった。
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