桜色、舞う

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桜色、舞う

桜がハラハラと舞う。 道の両脇から降り注ぐ桜色。 僕は、今日のことをきっと忘れられない。 振り返れば、車を背にした先輩たちがいる。 「おい!春夜(はるや)!迎えに来てやったぞ。」 「全く。先輩の手を煩わせてさ。感謝してよね。お礼はあっちで何か奢ること。」 「ハルくーん!!めっちゃ久しぶり!!」 「夏都、一応大学生だろ。ピョンピョンするな。ハル、おいで。」 先輩たちが笑っていた。 この一年間。僕は胸を張って言える。 「せんぱーい!俺頑張りました!」 そう言うと、またあの日々のように、 「おう!それでこそ桜世男子だ。」 「早く乗りな。」 「またそうやって水を差す!」 「いいから!女子に見つからないうちに乗って!」 急いで俺の荷物を奪うと、車に走っていく先輩たち。 僕はその背を追いかけた。 あの日々が、また、僕らを待っている。
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