桜世学院中等部! 入試編

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柊と渋谷は20分くらい歩くと、日本料亭のように大きな屋敷へ入っていった。 【十六夜寮】 過去の最高人数15人の桜世学院最小の寮である。 「雪ー帰ったぞ。」 柊が玄関から大声で怒鳴る。 「ああ!おかえりー。コーヒー?緑茶?牛乳?カ◯ピス?」 桐生雪。 現在中学3年。 爽やかな完璧イケメン。一言で言うなら上品だ。 「僕コーヒー。」 上がりながら渋谷は台所の方へ怒鳴る。 「俺は緑茶で!」 走って居間につく。 そんな二人を呆れながら桐生は 「はいはい。どうぞ。」 笑ってお菓子とともにコーヒーと緑茶を出す。 自分は緑茶らしく、眼の前に湯気のたつ緑茶を置いて真面目な顔をしていった。 「今年は一年、入れるの?」 シーンと、冷たくなる。 「・・・、僕はヤダ。宮原の件でこりたでしょ。雪だって始末書書いて。僕たち幼なじみ以外はいらない。」 渋谷の他人嫌いが発動した。 残りの二人はため息を吐きながらも、言い切った。 「俺も反対だな。」 「僕も入れたくない。でもこの寮に希望者が多すぎる。ざっと10めい。」 「じゃあなおさら入れたくない。」 渋谷は頑なな態度を見せる。柊はもう答え入ったと言わんばかりに緑茶をすすって我関せずといった態度。 「・・・、知り合いはいるのか?」 柊は静かに聞いた。 「加藤。」 「ヤダ。」 「秋夜はだまっとれ。」 思わず方言が出て口を抑える柊と、嬉しそうに笑う渋谷を眺めながら、桐生はいった。 「東京の子、希望してるけど?」 さっきとはまた違った静けさがあった。 お互い探るようにピリピリとしている。 「・・・、どげんした・・・。」 二階から声がした。 「貴様ら、まだその件で揉めてたのか?」 京極愛斗と一ノ瀬優。 どちらも高校1年である。 こちらは物凄い問題児二人組みだが、二人でツートップを飾っている。ちなみに柊と渋谷もツートップ、桐生はブッチギリのトップだ。
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