1人が本棚に入れています
本棚に追加
カラスが鳴き始め、雪はやみ、空は東雲色に染まってきた。渋谷は縁側に正座し、松田に奢ってもらった団子をかじりながら庭を眺めていた。その涼しげな視線の先には、
「…。お前なんかした?」
「何もしてねえよ。だって散歩の許可京極先輩にもらってるし。」
同い年の桜寮所属、山田美夜と前田碧が夕桜寮のダダッ広い庭を散歩している。
現在トップの成績を誇り、無愛想で他人嫌いで怒ると怖く迫力ある完璧イケメンの渋谷にじっと見つめられている前田と山田はなにかやらかしたのではないかと先輩に怯えるかの如く様子を見ていた。
「
最初のコメントを投稿しよう!