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11.
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「ここはどこなんだ?この森林は?」
すると…
『あなた…パパ…今日は森林浴したかったのよね?』
「え、真由美、志穂?」
おれの身体にかみさんと娘が語りかけていた?
「どう言う事なんだ?」
するとおれはその森林の扉を開けて中に入りたい衝動に駆られた。
おれは扉のノブを回したが「鍵」が掛かっていて開く事は無かった?
『あなた…鞄…』
「え、鞄?」
おれは背負っていた鞄である「THE NORTH FACE」のリックを下ろし手前のファスナーを引き、覗きこむと何かが光っていた…
光る物体はリック内の「ポケットの中」からであり、おれはポケットから光る物体を取り出すと光は失われて…
「あ、あ「鍵」だ…そうかこの「鍵」を使って扉を開けろと?」
おれは独り言を呟きながら森林の扉の鍵穴に「鍵」を差し込んだのであった。
「カッチ….」
「ガッチャ…」
「鍵」が回り解除され、扉のノブが回り、扉が開きおれは森林の中に入っていった。
森林の扉の中は変わる事なく鬱蒼とした木々が生茂り蒸し暑さを感じる…
「森林浴とは程遠いなぁ…暑い!」
まるでここはアマゾンのジャンルのようであった?
「本当に暑いなぁ…とにかく進んでみるか?」
どのぐらい歩いたのであろうか?
前方に見えて来たのは鬱蒼とした森林の中におれ達が開発した「善人・悪人探知機」が無造作に置かれていた?
「これはいったい?」
おれは目を疑った…
「なぜ、ここに?」
「え、…ここは我が家?」
すると目の前に男が現れた。
男は「善人・悪人探知機」に気付かれ無いため予防バリヤーを放っていた。
「どう言う事だ?なぜそんな周到な事が?」
おれはなぜかその様な事を瞬時に感じ…
「え、奴が!」
目の前の男は近所に住む同業他社の山室であった…彼も他社ではあったがおれと同じく防犯機器開発を任されていた。
すると大きな悲鳴が轟き渡った。
そして奴、山室は我が家から居なくなったのであった。
おれは何を観ていたのか?それは何なのか?頭が混乱していた。
『あなた、パパ….』
それはかみさんと娘の声であり俺の目の前に二人のフォトグラフィが現れた。
『あなた、こんなかたちで殺されたの私も志穂も悔しくて…』
『でも、しょうがないわ山室さんもあなたと同じように会社の使命でA Iが対応出来ない部分のセキュリティに関わっていたの…』
『でもセキュリティの不具合で家族が惨殺され…犯人は捕まったけど…』
『怒りが収まらず山室さんの心の中にあったサイコパスが目覚め誰かを殺したい願望が目覚めたの…』
『山室さんは私の慈悲を受け入れてくれなかったの…せめて娘だけはとお願いしても…』
「どうしてだ!」
「真由美、志穂、辛かったな…」
「ごめんな、ごめんな…」
おれは胸が締め付けられ号泣していた。
『あなた、お願いがあるのもう逃げるのはやめて!一緒暮らそ…』
『パパ、お母さんもわたしもずーっとパパの心の中にいるから…』
「そうか、ごめんな、ごめんな…」
おれはごめんなを繰り返し意識を失い倒れ込んだのであった。
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