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「おかあさん、おれ忙しくって家に居ないから少し家のセキュリティが心配で…」
「大丈夫よ、今の防犯設備で?」
「でも、駅前の家に強奪が入り セキュリティ設備が万全だったけど家族が殺されたよなぁ?」
「あなた、そんな物騒な事あったの?」
「怖いわねぇ…」
「そこでおれ達が開発した設備を試してみたいと…いいかな?」
「え、何それ?」
「今迄の防犯設備とは違う物で…訪問者の判断は判別機「善人・悪人探知機」で、もし強引に悪人が押し入った時はA Iを内蔵したパワー型アンドロイドが退治する…そんなシステムなんだ!」
「ふ〜ん、それってあなたが開発したのよね?」
「おれって言うか…課員でね!」
「その設備が無くても今のままで大丈夫だと思うけど?」
「あなたが試したいのなら…」
「ありがとう、おかあさん…」
「早速、明日設置に来るから…」
「あと、運搬は人間だけど設置はA I内蔵のアンドロイドがするからね…」
「分かったわ…」
そして翌日我が家に「善人・悪人探知機」がセットされた。
「善人・悪人探知機」を設置し1週間が過ぎていた。
自宅訪問者でおかしな勧誘販売者が訪れたが特に大きな問題は無かった。
おれは「善人・悪人探知機」の解決出来ていないA Iが理解出来ない「人間の人情、心情」のソフト化を考えていたが上手く行かない状況であった。
そしておれの不安が的中した。
おれがテストとして設置した「善人・悪人探知機」の不備により取り返しのつかない事を…それは家族の死であった。
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