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8. おれは自宅に帰ることを恐れていた。それは、かみさん、娘が殺された部屋を見る勇気が無かったからだ… かみさんと娘の葬儀は港北警察署の近くにある菊名の葬儀場で行い、その後おれは家を出てマンションを買い一人暮らしをする事にした。 おれは家族を亡くしたショックから立ち直る事が出来ず新規開発課の課長職を降格され一年間休職し、その後5年はA Iの指示の元製品の配膳作業を行い60歳になり定年を迎えた。 おれが課長として在籍していた新規開発課には新しい課長が就任しおれが補えなかったA Iが理解出来ない「人間の人情、心情」のソフト化に於いて重要視する発想を封印し、A Iを搭載したパワー型アンドロイドから戦闘能力をアップさせたサイバロイドに変更し対応した事で製品化が実現したと聞いている。 そして製品化された「善人・悪人探知機」はこの世に出回り強盗、詐欺、殺人など犯罪は減少し画期的な防犯装置となっていた。
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