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1. 「さて、出かけるか」 「鞄ヨシ!帽子着用!」 「鞄の中は財布、定期、そして「鍵」….」 午前10時… おれは散歩を日課としている。 本当ジジイだよなぁ… 散歩だぜ…? でも暇だからなぁ… どこに行こうか? あの公園もう飽きたなぁ… 確かあそこの美術館リニューアルしたなあ… 一人で行っても面白く無いし… 電車に乗ると金掛かるしなぁ… まあ行き当たりばったりで、とにかく歩く事にしょうか?足腰が弱っても誰も面倒みてくれないし… 60歳を過ぎ定年を迎えた。 会社からは延長して欲しいと言われたが働く気力が薄れていた… おれは上場企業である製造会社に40年勤めた。 おれは「氷室 真」設計開発部 新規製品開発課の課長であった。 家族はかみさんの「真由美」と中学2年の娘「志穂」がいた。 しかし、あの悲惨な事件が起こり天涯孤独となっていた。 おれは心のダメージを引き摺りながら生きていた。
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