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殺戮兵器
目の前には、涙目で歯を鳴らす人間がいる。全身は震え上がり、地面にあらゆる体液を吸わせていた。頬の入墨に、怯えた視線が刺さってくる。
武器を失った人間に、戦士としての体裁は残らないらしい。彼らは死に抗い、もがくだけの虫けらと化していた。
命乞いさえ忘れた人間の、首を掴み、苦しめる。時々緩めては締めて、ゆっくりと死に導く。
抗ってはくるものの、弱った力はとるに足らなかった。
――そんな顔するなよ。そんな顔で怖がるなよ。
終わらせたくなくなるだろ。
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