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ゴー・ウエストは火薬味
いつもの舎長は、もう俺をどう扱えばいいのか解らなくなっていた。
体全体を引きつらせ、ぎこちない挨拶をしてきて俺達を見送った。
あー。今度は、西の大陸ですか。その女性は、やっぱり生徒なんですよね?そうなんですよねそうだと言ってください。
うん、まあ、そうだよ?としか言いようがなかった。
まあ、エメルダって、結構不思議ちゃんだが、おっぱいはまあ大きいんだよなあ。
制服の内側から、確かな存在感を放っていた。
ユノと同い年で、今13歳。バストサイズはFカップくらい。
クリスタルリザードを抱いていて、リザードが動く度に、制服のブラウスの隙間から、素晴らしい双丘と、それを包むブラジャーがチラチラしている。
乗り込む際、チラッと見えたパンツは水色だった。
リザードを抱いたエメルダは、どこを見ているのか微妙って顔をしていた。
意味が解らない。エメルダはそう言った 。
「夏休み終わったばっかりなのに、何で故郷に帰るの?」
んんん?まあ、校長の指示だったとしか、言いようがないんだが。
実際、西の大陸は近い。飛行艇だと11時間ほどでついてしまう。
「まあ、早ければ1週間くらいだし。街を案内してくれればいいよ。エメルダ」
「あ、先生、ジャングルは案内要らずらしいし。公園で聞いたよ?」
うんまあね。9歳くらいの頃から、ジャングル探検はしてたし。
深部のジャイル・ズ・ム湿原辺りまで行ってたよ実は。
真面目な話、グレート・フォールって呼ばれる巨大な竪穴式遺跡まで降りてったことすらあった。
その底で、煮炊きした誰かの痕跡すら見つけていたが、流石に言えなかった。
「まあ、先生連れて実家に帰るって、実はウェルカムかも知れない」
ん?そりゃあ何だ?
「だって、私が赤ちゃん生んじゃうかも知れないもん」
そうかー。お前に赤ちゃん生ませる訳ないもん。
生徒に手え出す訳ないだろうが俺が。
「オババはだって、さっさと婿連れてこいって、夏休みにも言ってたし」
オババって何?婿って?
「あのなあ。俺が生徒に手え出すとか、本気で考えたのか?」
「ええ?でも、勇者ジョナサン・エルネストと深緑の姫君には」
「には?にはって、何だ?」
物凄い、空気が冷えていった。
抱いていたクリスタルリザードの子供が、ふーやれやれって空気を出していた。
「いや、ごめんなさい」
「ああ。帰ったら説教な?作者のオーホホ馬鹿と一緒に」
「・・・・はい」
ああでもさ。素早く空気を切り替えて、ジョナサンは言った。
怒られても、すぐに切り替えるられるのが、ジョナサンが生徒に好かれる所以だった。
「西の大陸って、実力主義でテイマーが多いんだよな?」
うん。エメルダも即答した。
「夏休み前に、先生プラチナになったんでしょ?西の大陸じゃランクが全て。先生の意見はきっと通るよ?」
まあ、バッタモンですけどね?この襟章。
「しかも、私のおっぱいとかお尻、見てたよね?」
突然何てこと聞く。
まあ、安全管理の一環で、艇に乗り込む時、尻を見たのは事実だけどさ。
13歳かホントに?って尻のボリュームが。
「今の内にハッキリ言っておく。俺、死ぬほど可愛い奥さんいるんだが。しかも安定期の」
「オババは、愛人になったっていいって言ってた」
そのババアをここにつれてこい。
西の大陸は氏族社会で、まあそう言う、側室めいた存在もあるのかも知れないが、見当違いも甚だしいだろうが。
クリスタルリザードが、ぎゃーって鳴いた。
艇の窓から、今も黒煙を漂わせる、大きな火山が見下ろせた。
あー、妙に懐かしい。マラガ火山だな。
ジャイル・ズ・ム湿原、ジャングル、多種多様な虫に爬虫類。
この世の楽園こんにちは。
あ、エメルダに出張の目的話してないや。
不思議ちゃんを連れて、俺達はエキゾチックワールドに降り立とうとしていた。
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