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そのまた次の日。
「――うぐ……っ!」
昨日の失敗を生かし、皮を作り直した。
立花が作ろうとしていたのは柏餅柏餅だったらしい。ちょうどいい大きさ、均等で過不足ない厚さというのは難しかったが、昨日のよりはだいぶまともだ。不格好ながらなんとか完成させたのだが、一口食べた瞬間、反射的に吐き出しそうになった。女子として、戻すことは避けたけれど、口の中の違和感が半端ない。
「うわ、出すなよ、もったいない」
「~~~~っ!」
涙目になりながら無理やり咀嚼し、淹れてくれた緑茶で飲み下す。湯呑をそっと流し台に置いて安全を確保してから、立花の目の前のテーブルを叩く。
「あんたこれ! 何入れた!? なんでこんな味するの!?」
立花は怒り心頭のあたしを一瞥すると、怪訝怪訝な顔をして腕を組んだ。
「おまえがあんなに大量に砂糖を入れるから。バランスをとるために皮に塩を入れたんだが?」
「っ、毒かと思ったわ! 体が危険物だと判断して思わず吐き出しそうになったでしょ! しょっぱいどころじゃないヤバイ味がする! 入れすぎ! 塩分過多になる!」
「そんなには入れてないだろう」
「あんた、砂糖と塩、おんなじ感じに考えてない!? あと、他人(ひと)実験台にしてないで、最低限の味見は自分でしなさいよ!」
「失礼だな。それくらいはしている」
「はあ? してる!? うそでしょ!? だとしたらあんたの舌、ぶっ壊れてんじゃないの!」
「お、おかしなことを言うな!」
血相を変えた立花と、その日は格闘して終わった。
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