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「では、とあるお方についてお尋ねします。あなた方とは、どういったご関係ですか?」
「主とは義兄弟に当たる。だが、その方の母がどうも地位に固執しているようだ。主も私も彼らに、憎しみがある。しかしそれを、どこへ向けたらよいか分からぬ」
「そうでございましたか。承知いたしました。それからひとつ、確かめたいことがございます」
「なんだ?」
「人を殺めぬこの私に頼んで、二度と後悔なさいませんか?」
「もちろん。依頼内容は賊の退治と、できればこの状況の打開だ」
「承知いたしました。決行の際に、私の邪魔だけはなさらぬよう」
霊斬は言葉こそ丁寧なものの、喧嘩を売った。
「分かっておるわ」
その言葉が気に喰わなかったのだろう。園田は刀を持って、店を後にした。
霊斬は園田が店を去った後、今回の依頼について考えていた。
――賊の退治はともかく、状況の打開なぁ。
霊斬は一人、溜息を吐いた。
「失礼いたす!」
「はい! ご用はなんでございますか?」
霊斬は奥の部屋から出て、訪れた武士に丁寧に対応した。
「この店で一番よい出来の刀を二本、買いたい」
「この店の刀のみならず、装飾品すべて一番の出来にございます」
「ならば、手近なものを一本見せてくれ」
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