プロローグ

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(…でもこれで転生が終わりだったとして、俺はこれからどうなるんだろ。 これからずっと、身体は無いのに意識だけあるままだったりする? ……………………………やめよう。まだ終わったと確定したわけじゃないし。ただの…そう。バグみたいなことかもしれないし。)  先程語ったようにリンネにとって一番の敵は暇だ。  転生が終わったとして、もしこれからもリンネがこのまま真っ暗な闇の中に居続けることになれば、リンネにとって一番苦痛な時間が流れることは間違いない。  そんな恐ろしいことを考えついたリンネは、そこでやっとこれからに対する不安を抱いた。 (……………あ。)  それから更に一週間後。  あれからリンネはできる限り考えることを控え、ただ退屈にじっと耐え続けていた。  そうしていると、もはやリンネの意識というもの自体が必要無くなり、リンネは今までずっと眠っているような状態だった。  そんなリンネが意識を回復させたのには理由があった。 (なんか…引きずられてる?)  この場所にはリンネの意識しか存在しない。なので体を持たないリンネが「引きずられる」と言ったのは、物理的な意味ではなく、意識がどこかに吸い寄せられるというような、そんな意味だった。 (何なんだ?今までこんな事無かったのに…。)  転生するまでの時間がここまで長かったことや意識が吸い寄せられたことなど、今まで一度も経験したことがない。  何が起こっているのか。  そんな事を考える間もなく、リンネの意識は途切れてしまった。
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