微※ 家事

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微※ 家事

その後、岳さんではなく岳と呼んでほしいと言われた。キスされたし数日警戒していたけれど特に何もしてこなかった。 そして現在。 今日は義母と父さんが県外旅行に行くらしい。2泊3日で旅館に行くと言っていた。 父さんは、陽介お留守番よろしくね。と言って出掛けて行った。 今日岳は友達と出かけると言って昼頃に家を出た。 1人で何するかな…。課題やって部屋片付けて洗濯して…あ、今日大晦日じゃん。蕎麦買わないとな。そんな風に思いながら腕まくりをして窓を開けるとリビングの掃除を始めた。 掃除をしている間に洗濯を回した。30分程で掃除を終えると、回していた洗濯物を取り出してベランダに干した。 洗濯も終えると少しだけ課題を進めた。1時間ほど課題をして、キリのいいところで辞めた。 冷蔵庫を開いて野菜をチェック。傷んでるのはなさそう。 蕎麦は海老天とネギとかまぼこだけでいいよな? 醤油、味醂、お出汁はあるから…買うのは海老天と蕎麦とかまぼこだけだな。 さっさと済ませようと上着を着て財布を持って家を出た。 スーパーはすぐそこで、歩いて2、3分で着く。 蕎麦は乾麺蕎麦ではなく、生蕎麦を使うことにした。 サッと買ってサッと帰りたかったけれどかなり人がレジに並んでいた。 セルフレジだから待っている人が、遅い!とか、これ売り切れなの?!ありえないんだけど!とか様々なクレームが飛び交っていた。 10分ほどもレジに並んでやっと俺の番が来た。俺は若いのでおじいちゃんおばあちゃんよりサッとできた。 会計を済ませると急いで店を出た。 岳は何時に帰ってくるんだろう。麺なら帰ってきてから作り始めたほうがいいよな?色々考えながら早足で帰宅し、買ってきたもの全部冷蔵庫に突っ込んだ。 ちなみ俺は簡単な料理なら作れる。 父さんからっきし料理ダメだったから。…なのに母さんはそんな父さんと料理も家事もしたことなかった俺を置いていくなんてな…。 少ししんみりして、ハッとした。 ダメだダメだ!暗くなるのはやめよう。 スーパーの袋は三角に折りたたんで引き出しにしまった。 暇だな。何かすることーー……あ、風呂洗ってそのまま入るか。 そう決まると風呂の暖房をつけて、湯を抜いた。 暫くすると湯が抜けて、俺は洗剤を撒いてから柄つきスポンジで浴槽を擦った。手で触ってツルピカになったのを確認すると、シャワーで流して湯を張った。一度浴槽の蓋を閉めて、脱衣所で服を脱ぐとシャワーで身体を流し始めた。 一通り全身洗い終えて、湯船に浸かっていると、ガチャンと玄関の扉が開く音がした。ただいまーと声がして、トストスと廊下を歩く音がした。足音は風呂前で止まった。 「ただいま。ようちゃんお風呂?」 「おかえり。そう風呂。すぐ上がるからリビングで待ってて。」 そう言うと、足音は風呂から離れて行った。 「ふぅ。ご飯作るか。」 軽く身体を拭いてパジャマを着ると、暖房を換気に切り替えてリビングに向かった。 「お待たせ。ご飯食べて紅白見よ。」 冷蔵庫から材料を取り出して、鍋に水を張って作りだした。 20分ほどかけて作り、できたものをテーブルに置いて食べ始めた。 岳は、「ようちゃん美味しいよ!」「最高!」「料理うまいんだね!」って褒められた、お、おいおい。ただの蕎麦だぞ。…でも照れるな。 ポッと頬を赤く染めると、「ホント可愛い」とポツリと呟いた。 蕎麦を食べ終えると、紅白の時間までそれぞれのやることをやってしまうことにした。…とは言っても俺は何もすることがない。 俺はソファに大の字で倒れ込んだ。本当に暇だなぁと思いながらなんとなくスマホを開いてみた。まだ18時で、紅白まで1時間半もある。 意味もなくホーム画面をスライドしていると、《L♡VE》という名前のピンク色アイコンのアプリを見つけた。 …これ確かAVアプリだよな?入れてるけどほとんど使ったことないな。中学の時のやつだ。懐かしいなぁなんて思いながらアプリを開いた。オススメにはまぁまぁ過激なヤツが出てきた。お、おぅ…あの時の俺、こんなのが好きだったのか…。過去の自分に引きながらテキトーにスライドしていると、好みの女の子を発見。 「この子エロッ…」 乳首ピンクで胸とお尻もデカいし色白で顔もどタイプ。 てか乳首ピンクとか漫画だけかと思ってた。 動画を再生すると、ナイスバディな女の子はムキムキなイケメンの上で気持ちよさそうに喘ぎながら飛び跳ねた。 もしあれが俺なら…と思うとムラムラしてきた。ゴソゴソと自身のモノを取り出し、女の子の腰の動きに合わせて扱く。 「ふっ、ん…」 ヤバい、久々のオナニー気持ち良過ぎる。女の子が激しく腰を動かすと俺はもう耐えられなくて呆気なく果ててしまった。 「はっ、はぁ…マジか…早すぎだろ」 達する速さに自分で呆れる。 動きたくないなと考えながらボーッと天井を見上げる。 いつもは義母がやってくれることを全部自分1人でして、ご飯食べて欲求を満たしたからか急に眠くなってきた。 寝ないけどちょっとだけ、ほんのちょっとだけ目閉じるか。
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